キューバの女子欠落問題
Kubamädchenkrise
2012年10月11日付ツァイト紙
先日、フクシマをたびたび訪れ、あらゆる正当な警鐘を鳴らしている核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の医師たちが世界保健機構(WHO)に、福島での健康調査を拡大、疫学調査を実行し、すでに1ミリシーベルト以上の被爆をしてしまった人たちの包括的な記録作成を始めることを申請する手紙を読む機会があったが、その中でIPPNWの医師たちが、ことにこれからの福島近郊での生殖に関する影響(奇形、死産、流産、そして “verlorene Mädchen“〔姿を消す女の子たち〕の現象)について組織的に調査していくべきだと言っている。この「姿を消す女の子たち」というのは、被爆によって女子の出生率が低下する現象で、これはチェルノブイリ後、ウクライナを始め、ヨーロッパ各地で見られた事実だ。そうしたら、ツァイト紙で以下に訳すような小さい記事を見つけた。放射能にはまったく国境はない。まして、日本も今、あらゆる形で放射能に汚染されたものを国内のみならず、海外に撒き散らしているのだ。現在進行中のことは、これがSFでなく現実だと思えば思うほど怖く、気が滅入る。(ゆう)
本文は、残念ながらオンラインのツァイト版では見られません。
キューバの女子欠落問題
フィクションが現実に追いつくのを待つには、忍耐が必要だ。しかしこの忍耐は時として報いられることがある。ウクライナのチェルノブイリで原子炉が爆発したのは26年以上も前のことで、実際の被害者の数はこれまで常に予想よりぎくしゃくと少ない方へずれてきた。
しかし、今になってやっと異様な事実が現れた。キューバの出生統計である。これによると、チェルノブイリ事故の1年後である1987年に出生した男女の比率がめちゃくちゃになってしまっていたことがわかった。女子100人に対し、男子は118人という率である。「American Journal of Epidemiology」を書いた著者は、この「キューバでの女子欠落減少」に対し「生物学上明確にできる説はない」としている。しかし、「zeo2」という雑誌が調査をさらに進め、説明を見つけることに成功した。チェルノブイリ事故があったときは、まだ冷戦時代だった。キューバにいる社会主義の兄弟たちに放射能で汚染された食品を送ったのは誰だ? ソ連である。ソビエト連邦に所属していたのは? ウクライナである。これで「女の子の欠落」は説明がついた。
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