2013年3月15日金曜日
医師団がWHOの隠蔽行為を非難
ドイッチェ・ヴェレ(Deutsche Welle)2013年3月11日付
医師団がWHOの隠蔽行為を非難
Ärzte werfen WHO Vertuschung vor
本文はこちら:http://www.dw.de/%C3%A4rzte-werfen-who-vertuschung-vor/a-16653046
フクシマ原発事故後、日本でのガン発生数が増加している、と核戦争を防止する国際医師の会は語る。しかし世界保健機関は先日、警戒の解除を宣言したばかりだ。
最初の兆候を与えたのは出生の空白である。日本では2011年末には、統計から期待される数よりも出生件数が約4000人分少なかった、と語るのは核戦争を防止する国際医師の会(IPPNW)のメンバーで小児科医であるヴィンフリット・アイゼンベルク氏(Winfrid Eisenberg)だ。「被ばくが原因でたくさんの胎児が胎内で死んでしまったと予測されます。胎児は放射線に一番弱いのです」。エイゼンベルク医師はフクシマ事故の、ことに子供たちにとっての結果がどれほど劇的なものであるか、語る。事故後充分にヨー素剤が配られなかったため、福島県の児童の3分の1で甲状腺に結節やのう胞が見つかっている、と彼は言う。このような変形は成人にはあまり害がないことが多いが、子供たちにとっては甲状腺がんの前兆である場合が多いという。「これから数年のうちにもっとガンの発生件数が増加するものと考えられます」。
WHO:「福島県外では危険性は高まっていない」
WHO世界保健機関ですら、福島の事故原発周辺の高線量地域ではガンの発生率が高まっていることを認めた。しかし、日本のそれ以外の土地に対しては警戒を解いている。WHOの代表は「この地方以外ではガンの発生率が高まるとは思われない」と声明を出したのだ。しかし「この報告は、事故の結果を過小評価するために行われている」と、エイゼンベルク氏は考えている。IPPNWでは、直接被害を受けた地域以外でも危険性がどれだけ高いか算出した。原発事故を原因として、日本では6万から12万の人間がガンになる可能性がある、という。それに加わるのが直接、事故の被害の後始末に携わる1万8千人の労働者で、彼らの発病率はきわめて高い。「日本はとても広い面積で被害を受けているのです」と結論付けるのはIPPNWの医師、ヘンリク・パウリッツ(Henrik Paulitz)氏だ。
原子力機関と「不利な契約」でさるぐつわをはめられている?
原子力に反対している人たちは、WHOがもともと偏向的だと考えている。それは、WHOが国際原子力機関と協定を交わしているからである。この協定で、どちらの団体も、「どちらかの側が実質的な利害を持つ、または持つ可能性があるテーマに関しては、必ず相手側に助言を求める義務がある」。原子力批判者はこれで、WHOの放射線のリスクに関する報告に対して、原子力機関が実質的に拒否権をもっているのと同じだ、と解釈している。IPPNWのメンバーであるエイゼンベルク氏はこれを「さるぐつわ契約」と呼んでいる。WHOは、この契約が自分たちの組織の独立性を制限するものではないとしている。
IPPNWは冷戦中にソビエト連邦とアメリカの医師たちによって設立され、原子力兵器の廃棄、紛争防止、原子力エネルギーからの撤退を求めて運動している。昨年、IPPNWでは原発事故を招いたのは津波ではなく、地震だったということを結論付ける技術的研究を発表した。だからこそ、この執筆者たちは次の結論を述べている:「原発は、地震が起きるほかの地域でも極めて危険である」と。
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